看護師の求人は絶えることが無く、日本全国いつでもどこでも職探しに困ることはありません。だからこそ、妊娠出産や諸々の事情で簡単に「一旦辞める」選択をする人も多くいます。
出産後、子どもが小さいうちはそばにいてあげたい、手をかけてあげたい、という育児に対する前向きな考えから看護師を一旦辞めた人も多いでしょう。
赤ちゃんだった子が幼稚園・保育園、あるいは小学校に通い始めて社会生活を営み始め、徐々に手が空く時間が出来てきます。
そうなったらなるべく早く復職するのがおすすめです。
本格的にフルタイムで復帰する前に、助走的な復職=短時間パートを始めておくのです。
医療の第一線で、長時間不規則なシフト勤務をするだけが看護師の仕事ではありません。
子どもが不在の隙間時間に週1回や2回の短時間パート勤務が可能な職場は探せばたくさんあります。
パートからフルタイムへと、段階を追って復職していくメリットは色々あります。
この記事では、子育て中の潜在看護師が、短時間のパート看護師からであっても早期に復職することのメリットについて以下に説明します。
短時間勤務でも専業主婦から早めに看護師復職した方がいい6つの理由
理由1:ブランクを消す
週に1日数時間だけでも看護師として復職すれば、ブランク更新の針はストップされます。
将来的にしっかり働きたくなった時、今からパート復職しておけば次は潜在看護師ではなく、現職看護師の立場で応募できることになります。
スキル的にもブランクが短いほど感覚を取り戻すことは簡単です。
求人サイトには応募条件欄に「ブランクあり可」や「未経験可」などの記載があるものがあります。
今現在、潜在看護師である立場では基本的に「ブランクあり可」と記載のある求人のみが応募対象となりますが、将来的に現役パート看護師からの転職であればブランクの有無にこだわる必要はなく、より広い範囲の求人に応募することができるのです。
理由2:子供に働く姿を見せる
短時間勤務から復職すれば、子どもにとっては今まで通り幼稚園・学校から帰宅してからは
母親が家にいてくれるという環境が維持できます。
母親にも職業があることを理解していく導入段階で、子どもに寂しさや不便さを感じさせないで済めば、ポジティブに受容することができるでしょう。
看護師という職業は子どもにとってとてもイメージしやすいものです。
子どもに人気の職業でもあります。
そんな職業に母親が就いていることは子どもにとって誇らしいことでしょう。
職業を持つことの大切さを最も身近な親の姿から学べることは、子どもへの教育的視点からもとても良い影響があるはずです。
仕事に行くたびに何かエピソードを持ち帰って話してあげると、子どもは非常に興味を持ちます。
医療の現場は子どもにとっても知っている身近な場所です。
そこで母親が「働く側」の視点から話してくれるエピソードはとても新鮮でワクワクするものです。
生き生きと仕事をしている様子が伝わるように積極的に話し、母親が働くことに対する免疫を少しずつ付けておけば、いずれ本格復帰をする際にもスムーズです。
理由3:家庭の医療相談が簡単にできる
看護師として働くということは職場に行けば医師がいる場合が多く、
ちょっとしたプライベートな医療相談が日常的に職場でできるという副次的な利点があります。
ちょっとした薬の処方であれば休憩時間にお願いできてしまうことも多く、職業的な特権とも言えます。
働く場所のルールや環境にもよりますが、復職前であればわざわざ受診しなければいけなかったことが仕事の合間に済んで大助かり、というメリットが付いてきます。
予防接種のシーズンには、働いている看護師本人だけでなくその家族に対しても優遇して安価に接種させてくれるクリニックや施設も多くあります。
大規模病院ではなかなか難しいかもしれませんが、家族的な小規模医療施設では従業員の家族も含めてくれることが多いです。
家庭内に医療関係者が一人いることで、家族全員が医療へのアクセスが良くなることは、子どものいる家庭にとっては大きなメリットです。
理由4:自分をより知ることができる
年齢を重ねたこと、ブランク期間中に経験したことなどの影響を受けて新たな適正が芽生えていることは多々あります。すべての人生の経験値は看護に生かせると言われる所以です。
復職前の自己分析である程度予測していても、実際働き始めるとより強く実感したり、新たに発見する自己の変化があるでしょう。
ブランク中に出産して親になった経験は大きく、共感できる患者対象の幅は広がっています。
さらにいわゆるママ友社会で生きる経験をしていることで、職場での人間関係処世術のスキルが上がっている可能性もあります。
若い時は自分の居場所を職場に求めがちですが、家族を持つとそこに明らかな居場所があるため、職場では適度な距離感で人と接することができることも一因かもしれません。
逆に、想像していたよりも体力が落ちていたり、物覚えが悪くなっているといったマイナスな部分に気付くこともあるでしょう。
ブランクを経た今現在の自分の向き/不向き、得手/不得手、そしてどんなことに喜びを感じるかなどをより深く把握することで、将来の自分に合うワークライフバランスとキャリアのビジョンを描きやすくなります。
理由5:情報が得られる
職場で他の現役看護師、医師、コメディカルと接する中で、
多くの生きた医療業界の話題に触れることができます。
以前〇〇で働いていてどうだった、××で働いている知り合いの話だとこうらしい、
などなど実際の体験談から噂話まで、あらゆる業界情報を仕入れることができます。
同僚の前職経験談などから、考えたこともなかった診療科に魅力を感じ始めたり、
意外な業種が働きやすいことを知ったりすることもあります。
家にいてネット検索するだけでは得られない生情報が、現場に関わることでたくさん入ってくるのです。
子育てママのネットワークでは近隣病院やクリニックについて患者目線の様々な情報交換ができますが、働く側目線の情報は働いている医療者からしか入ってきません。
患者にとってはイメージが良い医療施設が働きやすい場とは限りません。
聞いた話をすべて鵜呑みにするべきではありませんが、いずれステップアップの転職などを考える際にヒントとなる情報が蓄積され役に立つでしょう。
同業者が集まる場は業界内情報の宝庫です。
理由6:チャンスが広がる
現役医療者同士のつながりから、新たな仕事の誘いが発生することもあります。
スタートは週に1,2回だけの緩い復職であっても、
その職場で慣れて働きが認められていくうちに勤務日数を増やすことを勧められたり、
常勤にならないかとお誘いがあったりと、
ステップアップのチャンスが歩み寄ってくることがあります。
それを引き受けるかどうかはもちろんあなた次第で、勤務を増やしたくなければ無理をせずお断りをすれば良いだけですが、頑張って働いていることが認められた証であり、仕事への意欲が高まるきっかけになるかもしれません。
パート勤務を掛け持ちしている看護師も多く、もう一方のクリニックで看護師を探しているから空いている曜日に働かないか?などの仕事の紹介はよくあることです。
小さくでも一歩を踏み出しているかどうかは、引き寄せるチャンスに大きな差を生みます。
まとめ:短時間勤務でも専業主婦から早めに看護師復職した方がいい6つの理由
短時間のパート勤務でブランク生活から早めに復職しておくことで、以下のメリットが得られます。
【家庭内でのメリット】
- 母親が働くことに対し、家族が徐々に慣れていける
- 職場で簡単な医療相談ができるため受診の手間が減る
【キャリア面でのメリット】
- スキルの維持向上、医療業界の情報収集、ブランクがなくなることなどから、次のステップアップの際に有利になる。
- 自分の適性や内面の変化などにも気付くきっかけになり、今後のキャリアプランをより具体的にすることができる。